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セレベス民政部時代の思い出(3)

Organisasi Pemerintahan Sipil
(Kaigun Minseibu, Angkatan Laut Jepang)

粟竹 章二 Awatake Shoji

セレベス海軍民政部の概要 ikhtisar 



 私が勤務した民政部の組織について、記憶をたどり記してみたいと思います。 セレベス民政部の各課には課長以下数名の司政官、技師(高等官または高等官待遇)の方が居られ、その下に書記、嘱託(判任官または判任官待遇)その下に理事生、雇員が多数は配属されていました。 各課共に現地職員も多く、部、課に於いてはオランダ時代の高級官僚も多く其の下部に現地職員が付随して居り高級官僚は高等官待遇の方も居ました。 主計課には2名のアンボン系とブギス系1名の高級官僚が居り相当の権限を持っていました。(我々理事生は上司に対する礼を行いました。)  彼らは非常に紳士で、近寄りがたい品位が有り、その中のブギス人のアリフインさんは貴族の家柄だが、我々にも親しく付き合い気軽に話しかけてくれました。オランダ時代は相当の高官で有ったようです。 業務内容は主に民政会計に属すると思われるが記憶に残っていません。
  終戦後にアンボン系の2名は豹変致し威張りだして我々を馬鹿にしたがアリフインさんは最後まで紳士だった記憶があります。
  職員は当時の政府官僚を中心と致し非常に優秀な方々で戦後の復興に活躍し、名前を後世に残した方が多く、海軍が占領地軍政に非常に配慮致した事が今深く感ぜられます。 特にセレベス民政府、民政部、マカッサル研究所に勤務しておられた方は、最近まで政、財、官の各方面で活躍している方が沢山居られ、当時の海軍上層部の人事選抜には驚きを感じて居ります、特に民政部政務部長の大崎大佐は終戦後の日本側代表者となり、非常に適格な終戦処理をなされ多くの戦記に名を残されました。

  民政部の仕事は占領地行政を目的としてまず現地住民の生活に重点を置き、農業の増産改善指導に力を注ぎ、その成果は現在の農産物の多様化と増産に現れ、漁業生産物も日本の漁獲方法を指導いたし生産物の加工、保存の指導により漁獲高も飛躍的に伸び、また教育に力を入れまして青少年の育成に努力いたしました。 今私ども戦時下に居った者が訪問致しても歓迎されるのは戦時下特に南セレベス方面の民政がその結果を表したのではないかと自負しております。

組織 Organisasi

第2南遣艦隊(南西方面艦隊)→民政府→ セレベス海軍民政部

民政部長官  奏任官 (中将待遇)
 
政務部 政務部 8課 部長 大崎海軍機関大佐
1課 総務課 課長、文官 高等官4等 (中佐待遇)
2課 官房、文書課  〃     高等官5等 (少佐待遇)    
3課 主計課     〃  武官 小笠原海軍主計少佐 
4課 地方課     〃  文官 高等官4等 
5課 警務課     〃    〃      
6課 文教課     〃    〃      
7課 通信課     〃    〃      
8課 衛生課     〃    〃 (医学博士)
     
経済部 経済部 7課  部長 内務省高等官3等(大佐待遇)
1課 商工課     課長、文官 高等官4等 
2課 農林水産課   〃     高等官5等     
3課 鉱山課     〃    〃     
4課 財務課     〃     高等官4等(鉱産課)      
5課 土木課     〃    〃      
6課 ?不確定 (土木課分室、鉄道建設工作部?の記憶有り)
7課 交通課     〃     高等官5等

各課別職務内容の要約

政務部
政1課、総務課

政2課、官房、文書課

政3課、主計課

業務内容が重要なため武官の課長を置き、監理業務には武官(主計大尉)の部員を当て、また民政会計業務には旧オランダ時代の高級官僚も多数参加いたし、現地職員も多数勤務致し、部内で最大の課であった。

政4課、地方課

政5課、警務課

此の課所属の警部がBC級戦犯として死刑を求刑され自決しています。

政6課、文教課

政7課、通信課

政8課、衛生課

経済部

経1課、商工課

経2課、農林水産課

経3課、鉱山課

経4課、財務課

経5課、土木課

経6課
 記憶定かでないが、土木課の分室として鉄道建設工作部が有った記憶がるが、戦局逼迫してから資材が到着せず解散致し、部員技師及び工作員はハルマヘラ、ニューギニア方面に行き殆ど玉砕したとの情報が有りました。

経7課、交通課

   


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