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ビツン

- Bitung -


Bitung 港


Kungkungan Bay Resort



 Bitung 港はスラウェシ島の北端、ミナハサ半島の先端の東側、モルッカ海に面し、東部インドネシアの海上交通の要衝となっている。Bitung 港には毎月シンガポール、スラバヤ、ジャカルタなどから大小多数の貨物船、コンテナー船が日用品など一般消費財を積んで入港し、ここから周辺各地に配送される。

 しかし海上輸送のルートはそう単純ではない。反対に周辺の港から出た貨物のかなりの量はBitung 港やMakassar港を経由しないで小型の木造船などでスラバヤやジャカルタまで直接輸送される。貨物輸送に関してはBitung 港とMakassar港のリンクはないようだ。一方客船について言えばインドネシア国営PELNIの客船がMakassarを経由してBitung港に入港する。また最近では外国のクルーズ客船も入港している。Bitung港は最大で6万トン級の船舶の入港が可能である。

Bitung港からは近郊の高原で栽培されたキャベツ、白菜、トマトなどがマルク諸島へ輸送されている。

Bitung港は一般桟橋のほかに、北マルク諸島のTernateとBitungを結ぶ国営のカーフェリー用専用の桟橋がある。カーフェリーと言ってもBitungとTernateの間約150海里を20時間以上(荒天時には28時間とのこと)の航海となるため、大半の荷主は船上でトラックから荷物を甲板に下ろし、トラックは下船させるので、実態はRORO式の貨客船、勿論乗用車なども皆無である。岸壁での荷物の積み下ろしの所要時間がBitung港で約20時間を要している。もともとカーフェリーは陸上の交通ネットワークを繋ぐためのものであるが陸上の道路網が殆ど無いところにカーフェリーが配船されていることが、このような問題を発生させている。東部インドネシアのように広い海域に平地の殆どない島が点在する海域に適した海上輸送システムが必要と思われる。

 インドネシアで建造されたフェリーに乗って気が付くのは船員室が最上階にあって、客室は下層に配置されていて、これは日本の「お客様第一」の常識とは反対である。さらに居住区画に燃えやすい木材を使っていて恐ろしい。BitungとTernateの航路でも最近居住区画での火災が発生している。ジャワ島ースマトラ島ーバリ島のように狭い海峡で使うように設計された渡し舟を東部インドネシアの大海原で使うのは無理が多い。(2001年6月時点の情報をもとにしました。脇田 2002-12)

水産基地としてのBitung

Bitungは鰹漁業の基地として日本との繋がりも大きく、Bitung市内には日系の鰹節工場があり、ここで生産された鰹節が日本へ出荷されている。Bitungの日本の水産基地としての歴史は古く、1920年代に大岩漁業が鮮魚販売、鰹節製造を開始している。1940年にはBitung在住の日本人は154人であったという。(海のアジア⑥ アジアの海と日本人 岩波書店 2001年5月発行)

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