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パロポはボネ湾の奥の、かってのルウ ( Luwu )王国、現在のルウ県の中心地である。ウジュンパンダンから国道を北上し、パレパレ、トラジャを経由するルートと、パレパレから半島を横断してボネ湾側に出て海岸沿いに北上するルートがある。トラジャを経由する場合、トラジャのランテパオから山越えで約 80 Km、約2時間でパロポに到達する。かってオランダ人が建設した道路でイメージとしては箱根の旧道並である。山の上からのボネ湾の眺めが素晴らしい。山頂には霧が掛かっていたが夜間の走行は止めた方がよさそうだ。
一方、ボネ湾岸に沿って県道を北上するルートは道路も比較的によく、ウジュンパンダンから約7時間で到達する。途中左手にトラジャの山塊、右手に静かなボネ湾を眺める。街道沿いにカカオの実(タネ)が干してあり、(写真右下)これが甘いチョコレートになるのかと思うと楽しい。
以前にウジュンパンダンの JICA 専門家の金田さんがサグ椰子について書いておられたが、ここはサグ椰子の名産地である。サグ椰子の粉はパサールや街道沿いの売店でも買える。試しに買ってみたが、粉ミルクのように甘い香りがする。ウジュンパンダンに持ち帰ったらお手伝いさんがクッキーを作った。結構いける。パロポの名産品はサグ椰子のほか、カカオ、ドリアンが知られている。
カカオはインドネシアの経済危機前にはキロ当たり3.000 ルピアで取引されていた。ルピア暴落の時はそれが 20.000 ルピアで売れた。1999年1月の時点でも 15,000 ~ 17.000 ルピアで売れる。カカオの農家には経済危機の前の5倍以上の現金収入が入ることになったそうだ。確かに町外れのカカオ畑の中に立派な御殿が建っていたりする。稲作よりも楽で収入も上がるので、テレビ、ステレオ、オートバイ、衛星放送のパラボラアンテナと何でも買い込むニューリッチ族が出現した。(下の写真は農家の庭先のカカオの木、赤い実がついている。)
パロポはいわゆる観光コースから外れているのでトラジャにあるようなインターナショナル・スタンダードのホテルは1軒もない。インドネシアの旅行に慣れていない旅行者はトイレットペーパー、蚊取り線香を持参したほうがいい。ローカルのホテルではあるが KUMARA INDAH HOTEL は清潔だった。料金は VIPルームで Rp. 85,000 (日本円で1500円位)。パロポからトラジャへ向かう山の中腹に見晴らしのいい中華系のレストラン WISATA BUKIT INDAH があった。何軒かのレストランを廻ってみて、中華系は清潔で料理も旨いが、ブギス系の店のメニューは冷えて硬くなった焼き魚くらい、店は汚くて蝿も多く閉口した。
1998年の年末にパロポへ出掛けたが、その直後、ルウ県北部の山岳地帯で、部落間の市民戦争があった。この地域にはイスラム教系の部落と、隣のトラジャから移住してきたキリスト教系部落が混在していて、勤勉なトラジャ人は裕福な暮らしをしているのに対しイスラム系部族民は貧しく、些細なことが引き金になって私製の武器まで使った市民戦争になったという。紛争地帯に迷い込まないよう地元に詳しい人にガイドを頼んだ方がいい。
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