マンプ洞窟(Gua Mampu)

南スラウェシ州最大、神秘の鍾乳洞

 撮影 脇田清之

 撮影 粟竹章二

 ボネ県の首都、ワタンポネ (Watampone) の北方34㎞、センカンへ続く道路から途中、ウラエ(Ulae)村に入ったところ、標識に従って、左折し、しばらくガタガタ道を走ると、南スラウェシ最大の鍾乳洞マンプ洞窟入口に到着する。

 入口は狭く小さな防空壕風。騙されたかな、と思ってしばらく奥へ進むと、奇怪な空間が次々と現れる。鍾乳洞は、奥行が約100m、最大幅約60m、上層、下層の2層から構成されている。かなり高低差がある地底に、いくつかの周遊ルートがある。滑りやすい斜面や階段があるので運動靴着用がお勧め。

 この鍾乳洞は、失われたマンプ王国伝説によって観光客の興味を一層掻き立てる。石になったマンプ王国貴族に見立てられた奇岩がある。また、天井の隅の部分から光が差し込む、洞窟の中の一番広い空間には、マンプ国王の墓標も置かれている。このマンプ王国伝説を聞き、興味を持ったJames Brooke (1803 ?1868、サラワク初の英国系白人国王) が、1840年に調査に入った。伝説を実証することは出来なかったが、この素晴らしい鍾乳洞に魅了されたという。

 石灰岩の多い南スラウェシには、数多くの鍾乳洞がある。一番多いのはマロス (Maros) 県で約60か所、バル (Barru) 県で約10か所、ボネ (Bone) 県で6か所、トラジャ(Traja)県で6か所などである。


参考資料